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目の悪い仲間同士の会話
数年前、知合いが飲もうぜ、と言ってきた。
なんだねえ、景気はどうなるんかねえなんて品川で焼き鳥を頬張り程よく食って飲んだ頃、そいつが急に改まって言うじゃないか。「おれ、今度目の手術受けるんだ」。あ、そう、と相槌か何か返したけれど、以前共通の知合いが網膜剥離で緊急入院やっているんで急に心配になる。
眉をひそめ始めた自分に向かってそいつは事も無げに「今度近視直すための視力回復手術うけるんだ」と言うじゃない。あ、あのレーザーとか使うやつね。削って屈折率を変えるんだっけ。すごいよなー、と言ってやる。だけど大昔のソ連とかの手術の写真見たことがあって、ゲロゲロ気分だったんで、大丈夫かよー、と本当に心配してしまったのだ。
だけどそいつ言うに、とても成功率は高いとのこと。その大昔の術式とは違って見た目も変じゃないとのこと。ああ、そうなのーと安心しながらもちょっと不安の顔つきをしていると、でもさ万が一だといけないから最後の酒呑みに今日誘ったのさ、と言われる。完全にたまげたヨ。こっちの衝撃受けた顔を見てニヤニヤ笑いやがるんだけどね。言って良い冗談と悪い冗談があらあな。
後日またそいつと呑んだ。長年見慣れた眼鏡がないと始めはちょっと戸惑うけど、ま、角が生えたとかじゃないからすぐに普通に慣れてしまった。言うにスッゴクよく見えるらしい。ウザいレンズが無いんで気持ち良いとのこと。術も短時間ですむらしいんで、気軽に予定が組めたらしい。
そりゃあ良かったねえ、ということになり、以前呑んだときの自分の驚きがその日の酒のつまみの話題になってしまったのだヨ。